矯正治療中の食事内容についてお話ししましょう。
治療後の食事のタイミング
まずは、治療後の食事のタイミングについてです。
歯科治療の後は、
「30分飲食を控えてくださいね」
「粘着性の食べ物は仮詰めが外れやすいので控えてくださいね」
「麻酔がさめるまで、食事は控えてくださいね」
など注意事項を伝えられる場合が多いと思います。
矯正治療では、治療が始まると3〜4週間に1度の調節に通っていただきますが、治療直後に飲食が可能です。装置を初めてつけた直後でも飲食可能です!なので、治療後にお食事の予定を立てていただいても問題ありません。
ただし、初めて装置をつけられた時は、お口の中の粘膜が装置の形になじんでいないので、食べるスピードがゆっくりになるでしょう。そして調節後はややしめつけられているような感じをうけるため、固いものは避けておこうと思われるかも知れません。
治療中に工夫が必要な食べ物
矯正治療中だからといって食べられないもの、食べてはいけないものはありません。とはいえ、念頭においておくと治療中を楽に過ごせる「いろは」があります。
- 粘着性の食べ物:避けておいた方が無難です
- 固い食べ物:一口サイズにして、お口の中に入れてください
- 繊維質の食べ物:食べた後、歯みがきをしましょう
- 小さい粒状の食べ物:食べた後、歯みがきをしましょう
装置にネバネバしたものが残りやすく、食べた後にしっかりと歯を磨かないと、ネバネバがついた上にさらに汚れがついてしまいます。
例)おもち、キャラメル、ヌガー、ガム
塊にかぶりついたり、咬みちぎろうとすると、前歯に痛みを感じたり、装置が外れたり、ワイヤーが変形する原因となることがあります。塊のまま食べるのではなく、一口サイズにしたものをお口に入れるよう心がけましょう。歯に違和感があるときは、やわらかい食事を心がけて下さい。無理に固いものを食べると、あとで、歯が痛くなることがあります。
例)せんべい、肉の塊、りんご
装置にからまりやすいので、食後はお口をあけて笑うのが少し恥ずかしく感じることも。出先で歯みがきをする時間がない場合は、口をゆすぎましょう。そのひと手間で、大きな食べ物の残りはなくなりますよ。
例)ほうれん草などの葉物野菜
歯と歯の間やワイヤーの下に入り込みやすいです。笑ったら、ゴマがついていた…恥ずかしいですよね。
例)ゴマ、唐辛子、ブロッコリー
タイミングを考えて食べた方がよい食べ物・飲み物
- 色の濃い食べ物
- 色の濃い飲み物
装置の中には、色のつきやすいものがあります。そういった装置を使う場合は、どの部分に使用しているのかご説明させていただきますのでご安心ください。特に気をつけていただきたいのが、カレーです。透明の装置にうっすらと黄色く色がついてしまうのです。調節した直後にカレーを食べてしまうと、次の調節まで約1ヶ月の間黄色く色がついた装置で過ごさなくてはならなくなってしまいます。逆に、調節前に召し上がってきていただければ、装置を変えますのできれいな状態で過ごせます。
例)カレー、タンドリーチキン
黄色く色が濃くついた飲み物でも同じように、装置が黄色く色ついてしまいやすいです。赤ワイン、紅茶、コーヒーといった飲み物は、装置自体の色はあまり変わりませんが、歯や装置の周りに着色しやすいので注意が必要です。
少しの工夫で、治療中もぐっと楽に過ごせますし、食事が楽しくなります。