「矯正治療をうけるとやせるみたいだよ」
「矯正治療をうけると小顔になるよ」
「親しらずを抜くと小顔になるって」
まことしやかに囁かれる歯科の噂、一度ならず耳にされたことがあるのではないでしょうか?
あながち全くのでたらめというわけではありません。このような噂がたつ理由があります。
噂の検証① 横顔がバランスよく整うことで、お顔が小さくなったように感じることがあります!
特に、抜歯を含む矯正治療をうけると、前歯が後ろへ下がり、それに伴い上下の唇も後ろへ下がります。
お口を閉じると、ぷくっとお口元が出たような印象をお持ちであった方は、横顔がすっきりと整うことで、「小顔になった」と感じられる方も多いと思います。もちろん、治療上必要があって抜歯という選択肢を選ぶのであって、小顔にするために抜歯を行うのではありませんよ!
両手のひらでお顔を包んでみましょう。
内側へ引っ込んだ感じがよく分かると思います。
事実体積は減っているのですから、当然と言えば当然です。
最初の状態をみなさんすぐに忘れてしまうのですけれども、矯正治療前のお顔立ちのお写真と治療後のお写真を見比べてみて、その変化に大変喜ばれます。
噂の検証② 筋肉の盛り上がりが減ってすんなりとした印象になることが多いです!
矯正治療をはじめると、新体験の装置が付き、歯が動かされる感じに慣れていただき、最初の咬み合わせをいったん忘れさせることをします。
例えば、髪の毛一本でもお口の中にあると違和感を感じますよね。
このことでお分かりの通り、歯のもつ位置を感じ取るセンサーは非常に“敏感”です。ですから、少しでも歯が動いて、咬み合わせが変わると、一時的に今までと同じ大きさの力で力強く咬み締める・咬み砕くことができなくなります。
日常生活で食べ物が咬めなくなってしまうほど力が落ちてしまうことはありません。
何でもお好みのものを召し上がっていただけます。
ただし、固いものを続けて咬んでいるとやや疲れやすくなったり、矯正の調節後は痛みを感じやすいため、固いものを避けたりといったことはあるでしょう。
このような毎日を送ることで、咬む力の大部分を担っている「咬筋」という筋肉が少しやせて見えることがあります。
咬筋とは、頬骨から下顎の骨に伸びている筋肉です。頬の下辺りに手を添えて、奥歯でぐっと咬んでいただくと、力こぶのような膨らみができませんか?それが咬筋です。
筋肉は負荷が弱くなるにつれて、やせてゆきます。
腕を骨折してギプス固定をして数ヶ月過ごし、ギプスを外したら腕が細くなっていた、なんていう話聞いたことありませんか?これと同じ仕組みです。
咬筋はお顔の皮膚下にありますから、この筋肉がやせると小顔になったような印象になります。
親知らずを抜歯した時も、一時的に食べものが食べにくくなりますので、同じです。
☆余談ボトックス注射で眉間のしわ、額のしわが取れる!?
余談ですが、美容形成の医院でボトックス注射をして、眉間のしわ、額のしわを取る治療があることをご存知ですか?
ボトックス注射は注入した箇所の筋肉の動きを一時的に弱める効果があります。動きを弱めることで、しわがよることを抑える治療です。
このボトックス、実は歯科でもその特性を利用した使い方がされているのですよ!
具体的にどんな治療に使われているかと言いますと、食いしばりや咬みしめの力が大きすぎて、歯が割れたり、過度にすり減ってしまったりといったことにお悩みの方へ使用させていただいています。
咬筋へボトックスを注射し、咬む力を弱めてあげるのです。この治療も主目的ではありませんが、効果として筋肉がやせ、小顔になった印象になります。
一度は聞いたことがある歯科の噂、意外と知ってみると面白いですよね。