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開咬

開咬って何?

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上下の歯をかちんと合わせて咬んだ時に、奥歯で咬んでも前歯が咬まないため、上下の歯の間にすき間を生じる咬み合わせを開咬といいます。「咬み合わせがついていない」状態を指します。歯が被さり合わずに、咬んでいるのに開いたままのように見えることから、そのように言われます。

「食べ物が咬みきれない」「発音がしにくく、聞き返されることが多い」「奥歯がすり減ってきた」といった主訴をお持ちで見えられる方もいらっしゃいます。

そもそもなんで開咬になるの?

開咬になるには、さまざまな原因があります。いくつか順にご説明しましょう。

大きな原因のひとつと考えられているのが、幼少期からの癖です。
指しゃぶり、タオルなどをかむ、舌を前に突き出す、など、幼少期より持っている癖が歯の傾きや位置、顎の成長方向にまで影響を与えることがあります。指しゃぶりやタオルなどをかむ癖は分かりやすく、その物が入るように、上下の歯の間に隙間ができてしまいます。

そもそもなんで開咬になるの?
 

舌を前に突き出す癖は大人の方にも見られることの多いものです。
みなさんは、ゴクンと唾液を飲み込むときに、舌をどこに置いていますか? 歯の裏側を触っていませんか?
舌の正しい位置は、上顎の天井にペタリとつけている状態です。

そもそもなんで開咬になるの?
 

意識してやってみるとできると思いますが、そもそも唾液を飲み込むのは無意識に行いますし、睡眠中にも唾液は飲み込みますが、無意識下ですよね。となると、舌を前に突き出す癖をお持ちの方は、1日のうち何度も舌で歯を押していることになります。
舌は筋肉でできていますので、押す力は思っているよりも強いのです。
後ろからぐいぐい押していると、歯が前へ傾きを強くしていき、上下の歯が咬み合わない状態になってしまいます。日常生活の中でも実感としては、サンドイッチなど薄いものや麺類が咬みきれない、といったところです。
いったん上下の歯が咬み合わない状態になってしまうと、その隙間に舌をあてがわないと、飲み込みにくい&発音しにくいため、当てざるを得ないのです。
さらに、その隙間に、舌を差し込む癖が加わることもあります。
残念ながら、開咬の程度が進むことはあっても、自然に咬み合わせが付くように戻っていくことはないのです。

そもそもなんで開咬になるの?

他には、鼻炎や扁桃腺肥大も顎の骨の発育に関わると言われています。
どちらも口を開けて呼吸をする「口呼吸」をしている時間が長くなるため、頬の筋肉の関係で、上の歯列が狭く、先尖りのアーチになることが多いのです。また、下顎の成長量が抑制されやすく、成長方向が前ではなく下に向かいやすいとも報告されています。こういった成長をみせることにより、結果として開咬の状態を招くことがあります。

そもそもなんで開咬になるの?
 

上下の歯列の幅が合っておらず、嵌まらないことでも咬み合わせはつきにくくなります。
箱の蓋と本体は、大きさが一回り異なることによって、うまく嵌りますよね。それが蓋どうし、本体どうしだったらどうでしょう?嵌らないですよね。
バリエーションは様々ですが、奥歯の高さが高かったり、咬む力がとても弱かったり、顎の関節が華奢だったり、も原因にあたります。

開咬は、歯や骨といったお持ちの形が定まっている要素に加え、筋肉の癖や使い方、鼻炎などの状況といった要素が複雑に絡み合っていることが多いため、とくに今の咬み合わせになった原因を探っていくことが、治療に先立ち、とても重要です。

 

 

開咬のままだと問題なの?

先に述べました通り、いったん咬み合わせがつかない状態になってしまうと、他の癖をさらに惹起し、開咬の程度が進んでしまうことがあります。また、舌の癖といった、筋肉の癖は0にすることは難しいとされています。
ということは、まずは、咬み合わせがついていない状況から脱することを第一に考え、舌を隙間に当てなくても飲み込める&発音できる状況を先に整え、その後、舌の癖が新しく得た咬み合わせに再び大きく影響を与えないよう、どうアプローチをしていくか策を練る、ことが必要になってきます。

策ですが、舌の力で歯並びが崩れていかないように、保定装置と呼ばれる、矯正治療後のメインテナンス期間に使用していただく後戻り防止の装置を、長めに使用すること。
保定装置に工夫を組み込むことによって、舌が歯の裏側を触ったり、歯の間に挟み込んだりしてしまう時間を減らすこと。
こういったことを行うことで、ご自身の癖をうまく付き合っていく術を学んでいくのです。

開咬のままだと問題なの?
開咬のままだと問題なの?

 

上下の歯をかちんと合わせて咬んだ時に、奥歯のみが当たっている状態ですと、咬む力を負担してくれる部位が少ないため、その1つ1つにとって、負担が過重になってしまうことが多いです。負担が大きすぎることで、歯が欠けてしまったり、根が割れて残すことが難しくなってしまったりすることもあります。
奥歯の咬む面がすり減って、お痛みを感じられる方もいらっしゃいます。補う歯科治療を行う際に、非常に苦慮され、安定した経過を期待するのが難しくなることも多いです。

中には、顎関節に変形が起こることにより、開咬を呈することがあります。いわゆる顎関節症といわれる状態の他に、全身疾患である変形性関節症、関節リウマチや全身性エリテマトーデスを起因とすることもあります。開咬を主訴に歯医者に行き、全身疾患をお持ちのことが明らかになった方もいらっしゃいます。

ご自身のことを知っていただく意味でも、一度ご相談いただくのは意味があるのではないでしょうか。

開咬のままだと問題なの?
開咬のままだと問題なの?

 

 

開咬はどうやって治療するの?

それでは、開咬はどうやって治すのでしょうか?まずは、永久歯にすべて生え変わった方への治療方法をご説明します。

第一に、なぜかみ合わせが付かなくなってしまったのか、その原因を探らなければ、適切な治療方法を見つけることはできません。上下の顎のバランスの問題?噛む力の問題?歯が並ぶスペースの問題?これらは検査をすることで明らかになります。

矯正歯科治療の進め方 >

 

多くの場合、原因は1つではなく、複数が複雑に絡み合っているため、いわゆる矯正装置、歯に固定式の装置とワイヤーをつけて調節をしていく方法をとります。

ワイヤーでの矯正治療は大きく分けて2通りの方法があります。
歯の表側に装置を装着する唇側矯正、歯の裏側に装置を装着する舌側矯正です。
付加装置として、顎の骨を支えに歯を動かすことを可能にするため、歯科矯正用アンカースクリューと呼ばれるネジ様装置を使用することもあります。どういうことかというと、歯を奥へ動かしていく動きと歯の高さを減らすべく沈ませていく動きは、非生理的な動きと言われており、付加装置を使用しなくては、なかなか実現が難しいのです。

これら固定式の装置に加え、ご自身で付け外しをしていただくゴム様装置を使用することも多いです。
一概には言えませんが、残念ながら、マウスピース型矯正装置で治療を行うことは難しい場合が多いです。

開咬はどうやって治療するの?
開咬はどうやって治療するの?
開咬はどうやって治療するの?

 

 

子供の開咬治療は
どんなことをするの?

次に、全ての歯が永久歯に生え変わる前、子供の時期の治療方法についてご説明します。

子供の時期と大人になってからと、大きく違うのは、成長の力が残っているかどうかです。
子供の時期には、成長期という言葉がある通り、身体のパーツが旺盛な成長を見せる時期があります。パーツ毎にいつが成長期にあたるのかはそれぞれです。成長の力をうまく引き出し、誘導することで、より望ましい、骨格的にバランスのとれた状態に近づけることを目指します。具体的には、上顎や下顎の成長を後押ししたり、成長の方向をコントロールしたり、歯が並ぶ土台を広げたり、といったことをします。

ただし、忘れてはいけません。ここでも大切なのは、どこに原因があるのかを探らなければ、適切な治療方法を見つけることはできないということです。
指しゃぶり、タオルなどをかむ、舌を前に突き出す、などの癖はない?
鼻炎や扁桃腺肥大はない?
並行して、耳鼻科に通っていただくことをお薦めすることもあります。

子供の時期に行う開咬の治療のうち、よくなされるのは、就寝時にマウスピース型の矯正装置をつけていただく方法です。装置を調節していくことで、癖が咬み合わせに与える影響を改善していきます。
時には、適切な時期を見計らって、部分的にいわゆる矯正装置をつけさせていただき、より咬み合わせがつきやすいよう環境を整える治療を組み込むこともあります。

そもそもなんで開咬になるの?

開咬咬合の治療期間は
どのくらい?

永久歯にすべて生え変わった方は、いわゆる矯正装置、歯に固定式の装置とワイヤーをつけて調節をしていく方法をとります。歯を抜かずに治療が可能な場合は、約1年半、歯を抜いて治療する場合は、約2年半の治療期間が必要です。

開咬咬合の治療期間はどのくらい?

 

子供の時期に治療を開始する場合、8.9歳くらいから行うことが多いです。横の方の乳歯が揺れ始めたり、抜けたり、生え変わりが始まる頃です。永久歯への生え変わりが終了する、12歳くらいまでを子供の矯正期間とさせていただくことが一般的です。もちろん歯の生えかわりのタイミングは、その子その子によって様々ですので、前後することもあります。

また、子供の矯正を終えていい状態に収まることもあれば、その後永久歯に生え変わった後に大人の矯正治療が必要になることもあります。

開咬咬合の治療期間はどのくらい?
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